2022年5月27日

朗読 枕草子

春はあけぼの… 夏は夜… 秋は夕暮… 冬はつとめて… ( ^ - ^ )

春はあけぼの
やうやうしろくなりゆく山ぎは
すこしあかりて
紫だちたる雲のほそくたなびきたる

夏は夜
月のころはさらなり
闇もなほ 蛍のおほく飛びちがひたる
また ただ一つ二つなど
ほのかにうち光て行くもをかし
雨など降るもをかし

秋は夕暮
夕日のさして山の端いと近うなりたるに
からすの寝どころへ行くとて
三つ四つ 二つ三つなど
飛びいそぐさへあはれなり
まいてかりなどのつらねたるが
いと小さく見ゆるは いとをかし
日入り果てて 風の音 虫の音など
はた言うべきにあらず

冬はつとめて
雪の降りたるは言うべきにもあらず
霜のいと白きも
また さらでもいと寒きに
火などいそぎおこして
炭持てわたるも いとつきづきし
昼になりて
ぬるくゆるびもていけば
火桶ひおけの火も
白き灰がちになりてわろし


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