3537 くへ越しに麦食む小馬のはつはつに 相見し子らしあやに愛しも
朗読&解説 佐々木教授
"或本歌曰"で相見感たっぷりの異訓がついてます。載せときました (^-^)
オキナグサ
『植物知識』牧野富太郎
春に山地に行くと、往々オキナグサという、ちょっと注意を惹く草に出逢う。全体に白毛を被っていて白く見え、他の草とはその外観が異っているので、おもしろく且つ珍しく感ずる。葉は分裂しており、株から花茎が立ち十数センチメートルの高さで花を着けている。花は点頭して横向きになっており、日光が当たると能く開く。花の外面に多くの白毛が生じており、六片の花片(実は萼片であって花弁はなく、萼片が花弁状をなしている)の内面は色が暗紫赤色を呈している。花内に多雄蕊と多雌蕊とがある。わが邦の学者はこの草を漢名の白頭翁だとしていたが、それはもとより誤りであった。この白頭翁はオキナグサに酷似した別の草で、それは中国、朝鮮に産し、まったくわが日本には見ない。ゆえに右日本のオキナグサを白頭翁に充てるのは悪い。
さてこの草をなぜオキナグサ、すなわち翁草というかというと、それはその花が済んで実になると、それが茎頂に集合し白く蓬々としていて、あたかも翁の白頭に似ているから、それでオキナグサとそう呼ぶのである。この蓬々となっているのは、その実の頂にある長い花柱に白毛が生じているからである。
この草には右のオキナグサのほかになおたくさんな各地の方言があって、シャグマグサ、オチゴバナ、ネコグサ、ダンジョウドノ、ハグマ、キツネコンコン、ジイガヒゲ、ゼガイソウもその内の名である。右のゼガイソウは、すなわち善界草で、これは謡曲にある赤態を着けた善界坊から来た名である。
『万葉集』にこの草を詠み込んである歌が一つある。すなわちそれは、
芝付の美宇良崎なるねつこぐさ
相見ずあらば我恋ひめやも
である。そしてこのネツコグサは、ネコグサの意で、オキナグサを指している。花に白毛が多いので、それで猫草といったものだ。
このオキナグサは山野の向陽地に生じ、春早く開花するので、子女などに親しまれ、その花を採って遊ぶのである。葉は花後に大きくなる。根は多年生で肥厚しており、毎年その株の頭部から花、葉が萌出するのである。
この草はキツネノボタン科に属し、その学名を Anemone cernua Thunb. とも、また Pulsatilla cernua Spreng. ともいわれる。そしてその種名の cernua は点頭、すなわち傾垂の意で、それはその花の姿勢に基づいて名づけたものだ。
万葉集 巻第十四 東歌
未だ国を勘へぬ相聞往来の歌「相聞」
3508芝付の三浦崎なるねつこ草
相見ずあらば 吾恋ひめやも
芝付の三浦崎にあるネッコ草のように互いに会わなかったなら私はこんなに恋い焦がれようか…
◇芝付~ねつこ草は寝っ娘の意で相見を起こす序
3373多摩川に晒す手作り さらさらに 何ぞこの子のここだ愛しき
3459稲搗けばかかる吾が手を 今夜もか 殿の若子が取りて嘆かむ
3472人妻とあぜかそを言はむ しからばか隣の衣を借りて着なはも
万葉集のねつこ草「根都古具佐」が何なのかはっきりしてません。いま、ググったら、38.600件ほどヒットしました。で、TOP10 を覗いたら、8サイトが翁草で、残り2サイトが捩花を併記していました。どうやら、翁草派の方々が多数のようです。
ネットで遊びだした頃からの捩花派です。21日の捩花と22日から赤芽槲の雌株と鮎川。あっ、赤城山つきです。(^-^)
筑波嶺に登りて嬥歌会をする日に作る歌
短歌を併せたり
1759鷲の住む 筑波の山の 裳羽服津の その津の上に 率ひて 娘子壮士の 行き集ひ かがふ嬥歌に 人妻に 吾も交はらむ 吾が妻に 人も言問へ この山を うしはく神の 昔より 禁めぬ行事ぞ 今日のみは めぐしもな見そ 事も咎むな
嬥歌は東の俗語に賀我比と曰ふ
反 歌
1760男の神に雲立のぼり 時雨ふり 濡れ通るとも われ帰らめや
右の件の歌は高橋連蟲麻呂の歌集の中に出づ
今季、初撮りの捩花です。いつもより遅いけど、まぁ、芒種の内なんで… (^-^)
捩花は日本全土に分布しているようで花期は6月~7月だとか。が、立秋過ぎにも咲いて秋捩花とよんだりします。
万葉集から「嬥歌会をする日に作る歌」です。牛掃神は喜んでくれただろうか… (^-^)