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2021年8月25日

寝っ子草は捩花じゃ

3537 くへ越しに麦食む小馬のはつはつに 相見し子らしあやに愛しも

朗読&解説 佐々木教授

"或本歌曰"で相見感たっぷりの異訓がついてます。載せときました (^-^)

芝付乃しばつきの 御宇良佐伎奈流みうらさきなる 根都古具佐ねつこぐさ 安比見受安良婆あひみずあらば 安礼古非米夜母あれこひめやも


芝付しばつきの三浦崎みうらざきなるねつこ草

相見ずあらば吾あれ恋ひめやも

相聞 東歌 万葉集

巻十四 3508 ネジバナ「捩花」 小暑/07.12 上州藤岡緑埜

久敝胡之尓くへごしに 武藝波武古宇馬能むぎはむこうまの 波都々々尓はつはつに 安比見之兒良之あひみしこらし 安夜尓可奈思母あやにかなしも


くへ越しに麦食はむ小馬のはつはつに

相見し子らしあやに愛かなしも

相聞 東歌 万葉集

巻十四 3537

馬柵越うませごし麦食はむ駒こまのはつはつに

新肌にいはだ触れし子ろし愛かなしも

2021年8月17日

オキナグサ/2007 上州藤岡

オキナグサ「翁草」 2007.03.31 上州藤岡 オキナグサ「翁草」 2007.04.05 上州藤岡 オキナグサ「翁草」 2007.04.05 上州藤岡

オキナグサ

『植物知識』牧野富太郎 

 春に山地に行くと、往々おうおうオキナグサという、ちょっと注意を惹ひく草に出逢であう。全体に白毛はくもうを被かぶっていて白く見え、他の草とはその外観が異っているので、おもしろく且かつ珍しく感ずる。葉は分裂ぶんれつしており、株かぶから花茎かけいが立ち十数センチメートルの高さで花を着つけている。花は点頭てんとうして横向きになっており、日光が当たると能よく開く。花の外面に多くの白毛が生じており、六片ぺんの花片かへん(実は萼片がくへんであって花弁はなく、萼片が花弁状をなしている)の内面は色が暗紫赤色あんしせきしょくを呈ていしている。花内かないに多雄蕊たゆうずいと多雌蕊たしずいとがある。わが邦くにの学者はこの草を漢名の白頭翁はくとうおうだとしていたが、それはもとより誤りであった。この白頭翁はくとうおうはオキナグサに酷似こくじした別の草で、それは中国、朝鮮に産し、まったくわが日本には見ない。ゆえに右日本のオキナグサを白頭翁はくとうおうに充あてるのは悪い。

 さてこの草をなぜオキナグサ、すなわち翁草というかというと、それはその花が済すんで実になると、それが茎頂けいちょうに集合し白く蓬々ほうほうとしていて、あたかも翁おきなの白頭はくとうに似ているから、それでオキナグサとそう呼ぶのである。この蓬々ほうほうとなっているのは、その実の頂いただきにある長い花柱かちゅうに白毛はくもうが生じているからである。

 この草には右のオキナグサのほかになおたくさんな各地の方言があって、シャグマグサ、オチゴバナ、ネコグサ、ダンジョウドノ、ハグマ、キツネコンコン、ジイガヒゲ、ゼガイソウもその内の名である。右のゼガイソウは、すなわち善界草ぜんがいそうで、これは謡曲ようきょくにある赤態しゃぐまを着つけた善界坊ぜんがいぼうから来た名である。

 『万葉集』にこの草を詠よみ込んである歌が一つある。すなわちそれは、

 

芝付しばつきの美宇良崎みうらざきなるねつこぐさ

相見ずあらば我あれ恋こひめやも

 

 である。そしてこのネツコグサは、ネコグサの意で、オキナグサを指さしている。花に白毛が多いので、それで猫草といったものだ。

 このオキナグサは山野さんやの向陽地こうようちに生じ、春早く開花するので、子女しじょなどに親しまれ、その花を採とって遊ぶのである。葉は花後かごに大きくなる。根は多年生で肥厚ひこうしており、毎年その株の頭部から花、葉が萌出ほうしゅつするのである。

 この草はキツネノボタン科に属し、その学名を Anemone cernua Thunb. とも、また Pulsatilla cernua Spreng. ともいわれる。そしてその種名の cernua は点頭てんとう、すなわち傾垂けいすいの意で、それはその花の姿勢しせいに基もとづいて名づけたものだ。

オキナグサ「翁草」 2007.03.31 上州藤岡

2020年6月23日

万葉集のねつこ草

万葉集 巻第十四 東あずま歌

未いまだ国を勘かむがへぬ相聞そうもん往来おうらいの歌「相聞」

3508芝付しばつきの三浦崎みうらざきなるねつこ草
相見あいみずあらば 吾あれ恋ひめやも

芝付の三浦崎にあるネッコ草のように互いに会わなかったなら私はこんなに恋い焦がれようか…
◇芝付~ねつこ草は寝っ娘の意で相見を起こす序

3373多摩川に晒さらす手作り さらさらに 何なにぞこの子のここだ愛かなしき

3459稲搗つけばかかる吾あが手を 今夜こよひもか 殿とのの若子わくごが取りて嘆なげかむ

3472人妻ひとづまとあぜかそを言はむ しからばか隣となりの衣きぬを借かりて着きなはも

万葉集のねつこ草「根都古具佐」が何なのかはっきりしてません。いま、ググったら、38.600件ほどヒットしました。で、TOP10 を覗いたら、8サイトが翁草オキナグサで、残り2サイトが捩花ネジバナを併記していました。どうやら、翁草派の方々が多数のようです。

ネットで遊びだした頃からの捩花派です。21日の捩花と22日から赤芽槲アカメガシワの雌株と鮎川あゆがわ。あっ、赤城山あかぎやまつきです。(^-^)

2020年6月20日

ネジバナ/嬥歌会


筑波嶺つくばねに登りて嬥歌会かがひをする日に作る歌

短歌を併せたり

1759鷲わしの住む 筑波の山の 裳羽服津もはきつの その津の上に 率あどもひて 娘子壮士をとめをとこの 行き集つどひ かがふ嬥歌かがひに 人妻ひとづまに 吾あも交まじはらむ 吾あが妻に 人も言問ことどへ この山を うしはく神かみの 昔より 禁いさめぬ行事わざぞ 今日のみは めぐしもな見そ 事ことも咎とがむな

嬥歌は東の俗語に賀我比かがひと曰いふ

反 歌

1760男をの神に雲立のぼり 時雨しぐれふり 濡ぬれ通るとも われ帰らめや

右の件の歌は高橋連蟲麻呂の歌集の中に出づ

今季、初撮りの捩花です。いつもより遅いけど、まぁ、芒種の内なんで… (^-^)

捩花は日本全土に分布しているようで花期は6月~7月だとか。が、立秋過ぎにも咲いて秋捩花アキネジバナとよんだりします。

万葉集から「嬥歌会かがひをする日に作る歌」です。牛掃うしはく神は喜んでくれただろうか… (^-^)