2020年12月24日

阿騎野の冬猟の歌

沈む太陽

多野山地に沈む太陽 冬至/12.21 上州高崎鏑川

上毛新聞:冬至の幻想 赤城小沼の輝く樹氷 遠くに富士山の姿… σ(°┰~ )

軽皇子かるのみこ安騎あきに宿りましし時、柿本朝臣人麻呂の作る歌

45やすみしし わが大王おおきみ 高照らす 日の皇子みこ かむながら かむさびせすと 太敷ふとしかす 都を置きて 隠口こもりく泊瀬はつせの山は 真木まき立つ 荒き山道やまぢいわが根 禁樹さへき押しなべ 坂鳥さかとりの 朝越えまして 玉かぎる 夕さり来れば み雪降る 安騎あきの大野に 旗薄はたすすき 小竹しのを押しなべ 草枕 旅宿たびやどりせす いにしへ思ひて

46安騎あきの野に宿やどる旅人 うちなびらめやもいにしへ思ふに

47くさ刈る荒野あらのにはあれど 黄葉もみちばの過ぎにし君が形見かたみとぞ

48ひむがしの野にかぎろひの立つ見えて かへり見すれば月かたぶきぬ

49日並皇子ひなみしのみこみことの 馬めて御狩みかり立たしし時は来向きむか

PDF「人麻呂が見た炎(かぎろひ)」に触発されて阿騎野あきのの冬猟の歌を書き直しました。で、タップで読めるように GoogleDrive に保存しました。アカウントの選択がポップアップしたら「OK」をタップです。
人麻呂が見た炎(かぎろひ)

PDFには ”軽皇子が阿騎野(現在の奈良県大宇陀町の一帯)で猟を行ったとき、お供をした人麻呂が詠んだ歌”とあり、”「み雪降る」から冬の猟と考えられる” とし、”「夕さりくれば」、「旅宿りせす」から、夜を明かした朝の情景が詠まれている” としています。さらに ”狩りの様子はあまり描かれずに荒道厳しい阿騎野の地に対する愛着と草壁皇子を偲ぶ気持ちが散りばめられている” と、、、

ひむがしの 野炎のにかぎろひの 立所見而たつみえて 反見為者かえりみすれば 月西渡つきかたぶきぬ

原文と賀茂真淵かものまぶちの読みです。さて、この万葉歌はいつごろ詠まれたのでしょうか、、、
PDFには”12月30日の朝6時ころ、東の空に暁光が現れ、そのとき西の空では十六夜の月が沈もうとしている”と… う〜ん、説得力あるばい。(^-^)
あっ、西暦692年12月30日は、陰暦だと朱鳥しゅちょう六年十一月しもつき十七日です。

日本の暦「第一章」暦の歴史に ”持統三(689)年、この年の暦が現存最古の元嘉暦げんかれき(奈良県明日香村石神遺跡出土の木簡)” とあり、太陰太陽暦が使われていたことが分かります。

PDFをもうひとつリンクしときます。 和田萃 ”かぎろひ”考
…「かぎろひ」は厳寒の夜明け前に、東の空が紅に染まり、さらにオーロラの如く様々の色の筋が舞う現象である…

2020年12月21日

枇杷に蜜蜂、小白鳥


ウェザーニュース:二十四節気「冬至」 先人の思いや知恵を感じる名前と習わし… σ(°┰~ )

今日から冬至です。めずらしく昼前に出て枇杷を撮り、山崎へ移動して蝋梅と寒紅梅をパチリ。で、ひょうたん池で小鴨を30ショットほどしてから鏑川へと走りました。(^-^)

歩いてたら7羽で向う岸へ移動中の小白鳥たちと遭遇です。 冬至に群れている小白鳥が撮れるとは… 佳き日になりました。て、飛来記録は8羽だったけど。(^-^)

あっ、枇杷で書くつもりでした。こっからちょっと…
すぐ傍にある枇杷の木です。野路菫や鬼野芥子なども咲いてて枇杷の花はあまり撮ってなかったかも。 風もなく陽射したっぷりでぽかぽかパチリ。ほのかな香りに誘われたか蜜蜂が次々にやって来ましたとさ。(^-^)

陽射しあり蜜蜂集う枇杷の花
冬至の日8羽で来たり小白鳥
春遠し冬は殖ゆだとからっ風




2020年10月18日

アオハダ 10/16

アオハダ(青膚)10/16 上州藤岡緑野山 アオハダ(青膚)10/16 上州藤岡緑野山 アオハダ(青膚)10/16 上州藤岡緑野山

晴れた16日は緑野山みどのやまへ行きました。野原薊ノハラアザミ野紺菊ノコンギク、そして三葉ミツバアケビてなとこと逢えました。ほとんどが既知のお方たちで、ささっとツィートできました (^-^)

あっ、名が判らんお方はいつもの「あんた誰」です。そして時間をつくって調べてます。16日は赤い実をつける木をサブ垢でツィートしてましたっけ…

で、ついさっきなんですが、それらしきお方が見つかりました。トップに3枚貼りしときましたとさ (^-^)

アオハダ:モチノキ科モチノキ属の落葉高木で雌雄異株、雌株です
青膚:別名はアオサ、ウメモドキ、クマネリなど
分布:北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国…
葉は単葉で長枝に互生し、短枝の先には束生する
花期は5~6月、赤い実は8~9月、晩秋に黄葉
参考サイト:樹木図鑑(アオハダ)


田んぼに浅間山

妙義山と浅間山

2020年9月15日

3816 恋の奴の…/穂積皇子

宮城野萩 09/15 上州藤岡緑埜 宮城野萩 09/15 上州藤岡緑埜 宮城野萩 09/15 上州藤岡緑埜

宮城野萩 白露/09.15 上州藤岡緑埜  

九月十三、十四日と大阪府泉佐野で遊んできました。帰路、長野県塩尻でひと休み。たら、カーラジオから万葉集… 宴席歌と…

万葉集 巻第十六 穂積皇子ほづみのみこの御歌

3816家にありしひつかぎをさめてし
恋のやつこの つかみかかりて

◎右の歌は、穂積親王が宴会の時に酒がたけなはになると、好んでこの歌を誦ずるのが、いつもの例であった…

家尓有之いへにありし 櫃尓鏁刺ひつにかぎさし 蔵而師をさめてし 戀乃奴之こひのやつこの 束見懸而つかみかかりて

「三宝の奴」なら知ってるんだけど「恋の奴」とは…
以下、妄想交りでちょっとだけ書いときます

高市皇子たけちのみこの宮にいた但馬皇女たじまのひめみことデキちゃったんさ
が、バレちゃって、志賀の山寺で謹慎してろと…
あの娘は死を賜わっちゃうし… もう恋など…

万葉集 巻第ニ
但馬皇女の薨りましし後、穂積皇子、冬の日雪のるに遥かに御墓みはかを見さけまして悲傷流涕して作りませる歌

203降る雪はあはにな降りそ
吉隠よなばり猪養ゐかひの岡の寒からまくに

2020年9月8日

鼠ヶ関 08/30 処暑

山形県鼠ヶ関 08/30 山形県鼠ヶ関 08/30 山形県鼠ヶ関 08/30

もう白露なんだけど、また三十五度を突破して猛暑日でした。で、処暑の八月三十、三十一日に国道7号線を新潟、山形、秋田と走ってきました。て、大型トラックの助手席に座ってただけ。ふんでも陽射したっぷりで明るい日本海を観てきました。寄せては返す白い波… 岩礁をあらう波…、漁船に寄りくるカモメたち… いにしえからの変わらぬ風景だけど美しかったです。処暑のうちにあげたかったんだけど連日の酷暑で寝くたばってました。

最初の3枚は山形県鶴岡市鼠ヶ関ねずがせきです。「おくのほそ道」に、ねずの関を越ゆれば越後の地に歩行あゆみを改めて、越中の国市振いちぶりの関に到る、とあります。どうやら芭蕉と曾良が歩いた地のようです。

脚注に「鼠ヶ関は「念珠が関」とも書く。東国三関の一。白雉四653年、蝦夷地への前進基地として設けられ、後、越後・出羽の境界として知られた。(芭蕉の訪れた)元禄当時のものは庄内藩の口留番所」だったとか…

荒海あらうみ佐渡さどよこたふあまがは

新潟県村上市勝木あたり

粟島かも

笹川海水浴場だったかも

2020年8月30日

象潟の月/文月十二日

文月「七月」十二日の月 2020.08.30 22:41 秋田県にかほ市象潟 文月「七月」十二日の月 2020.08.30 22:41 秋田県にかほ市象潟 文月「七月」十二日の月 2020.08.30 22:41 秋田県にかほ市象潟

降り止んで雲間からチラっと姿を見せた文月十二日の月 (^-^)

コトバンクから引用抜粋
象潟きさがたという地名は、かつてこの地で蚶貝きさがいが多くとれたことに由来し、蚶方きさかたから象潟に変わったといわれる。一帯は鳥海火山ちょうかいかざんによる泥流地形で、海食作用で泥層が削られて岩島となり、八十八潟九十九島の景観をみせていた。そのころの自然美は松尾芭蕉の『おくのほそ道』にも記されている。1804年(文化1)6月4日の直下型地震で土地が2.5メートル隆起し、潟は平地となった。現在も水田の中にマツの生えた小島が散在する。このあたりは鳥海国定公園の一部であり、また国の天然記念物に指定されている。蚶満寺かんまんじには芭蕉の句碑があり、奈曽なそ白瀑谷しらたきだには国の名勝。米作主体の農業のほか、沿岸漁業や栽培漁業も行われている。

2020年8月24日

コガマ(小蒲)


古事記 上巻 大國主の神 「菟と鰐」

氣多けたさきに到りし時にあかはだなるうさぎ伏せり。ここに八十やそ神その菟にひて云はく「いましまくは、この海鹽うしほを浴み、風の吹くにあたりて、高山の尾上おのえに伏せ」といひき。かれその菟、八十神の教のまにまにして伏しつ。ここにそのしおの乾くまにまに、その身の皮ことごとくに風に吹きかえき。かれ痛みて泣き伏せれば、最後いやはてに來ましし大穴牟遲おほあなむぢの神、その菟を見て「何とかもいましが泣き伏せる」とのりたまひしに、菟答へてまをさく「… 最端に伏せるわに、我を捕へて、悉に我が衣服を剥ぎき。これに因りて泣き患へしかば、先だちて行でましし八十神の命、海鹽うしほを浴みて、風に當りて伏せとのりたまひき」とまをしき。ここに大穴牟遲の神、その菟に教へてのりたまはく「今くこの水門みなとに往きて、水もちて汝が身を洗ひて、すなはちその水門のガマはなを取りて、敷き散して、その上にまろびなば、汝が身本のはだのごと、かならずえなむ」とのりたまひき。かれ教のごとせしかば、その身本の如くになりき。こは稻羽いなば素菟しろうさぎといふものなり…

…いそいであの水門に往つて水で身体を洗つてその水門のガマの花粉を取つて、敷き散らしてその上にころがり廻ったならお前の身はもとの膚のようにきつと治るだろう…

ガマはな:蒲の穂の上にある雄花の黄色い花粉を言う。古代では止血・沈痛に利く薬として用いられたとか… (^-^)

2020年8月19日

ガガイモ


古事記 上巻 大國主の神 「少名毘古那の神」

かれ大國主おおくにぬしの神、出雲いづも御大みほ御前みさきにいます時に、波の穗より、あま羅摩かがみの船に乘りて、ひむしの皮を内剥うつはぎに剥ぎて衣服みけしにして、り來る神あり。ここにその名を問はせども答へず、また所從みともの神たちに問はせども、みな知らずとまをしき。ここに多邇具久たにぐく白してまをさく、「こは久延毘古くえびこぞかならず知りたらむ」と白ししかば、すなはち久延毘古を召して問ひたまふ時に答へて白さく、「こは神産巣日かみむすびの神の御子少名毘古那すくなびこなの神なり」と白しき。かれここに神産巣日御祖みおやの命に白し上げしかば、「こはまことに我が子なり。子の中に、我が手俣たなまたよりきし子なり。かれいまし葦原色許男あしはらしこをの命と兄弟はらからとなりて、その國作り堅めよ」とのりたまひき。かれそれより、大穴牟遲おほあなむちと少名毘古那と二柱の神あい並びて、この國作り堅めたまひき。然ありて後には、その少名毘古那の神は、常世とこよの國にわたりましき…

ガガイモが咲いてました。やがて実をつけ生薬蘿摩子らましになります。天の羅摩かがみの船はガガイモの実を割って作る舟とか。てっ、蛾の皮が服代わりになる少名毘古那にしか乗れない船です (^-^)

少名毘古那すくなびこなは、ほんとにわたしの子だ。子どもの中でもわたしの手の股からこぼれて落ちた子どもです。
種籾をつかんで実りを祈る神産巣日かみむすび御祖みおやの命てなとこでしょうか (°-°;

2020年8月15日

暑いお盆


上毛新聞:炎の輪に無病息災祈る 南牧村で「火とぼし」今年は1日のみ σ(°┰~ )

連日の猛暑でぐったりしてます。外出など、とてもとても… で、タブレットで世相ウォッチしてたら南牧村なんもくむらとぼしが地元紙にあがってました。
ただ、今年は八月十四日だけとか…
ならばと目覚しをセットしてちょい早起きし荒船山あらふねやまに沈む夕陽をパチってから出撃したとさ。

万葉集 巻第十一 物に寄せておもひぶる歌

2800あかときかけは鳴くなり よしゑやし ひとりる夜は明けば明けぬとも

旭時等 鶏鳴成 縦恵也思 獨宿夜者 開者雖明

暁だと鶏は鳴いている。ええい、ままよ。独りで寝る夜は明けるなら明けようともかまわない。

大日向の火とぼし ↓南牧村HPより引用
南牧村の大日向おおひなた地区に4百年以上も昔から伝えられてきた県内に残されている最大級の火祭りです。火祭りの方式は「あばれ祭り」の型です。住民の先祖が永禄4年、武田信玄軍が上州に攻め入った際、武田勢を助け、領主勢の軍を打ち破った時の喜びを「火祭り」の形で伝えたものといわれています。

youtube : 大日向の火とぼし お囃子あり

2020年8月11日

カラスウリ(雄花)

カラスウリ(雄花) 立秋/08.10 上州藤岡 カラスウリ「雄花」 立秋/08.10 上州藤岡緑埜 カラスウリ「雄花」 立秋/08.10 上州藤岡緑埜

ウェザーニュース:東京で2年ぶりに37℃超へ、群馬県伊勢崎など3地点で40℃以上に σ(°┰~ )

カラスウリ「雄花」 立秋/08.10 上州藤岡緑埜 烏瓜カラスウリは雌雄異花で実の生るのは雌花である。処暑の頃から見かけるようになり、秋分ともなれば彼方此方で普通に見る。ここ、緑埜みどのでもたくさんの烏瓜の実を見る。が、このところ雄花にしか逢えていない。なぜだろう… と、考え始めて丸二日。て、まず、雌花を撮って、それから考えな。

烏瓜は唐朱瓜カラスウリとも表記して、玉章たまずさなる別名があるとか。でね、万葉集にも玉梓たまづさがあります。関係ありかな…

万葉集 巻第十 秋の雑歌

2111玉梓たまづさの君が使つかひ手折たをりけるこの秋萩は 見れどかぬかも

玉梓 公之使乃 手折来有 此秋芽子者 雖見不飽鹿裳

あなたのお使いが手折ってきたこの秋萩は、いくら見ても飽きないことよ

39℃予報と猛暑日襲来間違いなしでした。ついさっき目覚めたら伊勢崎は今季全国初の40℃超えとか。残暑お見舞い申し上げます。で、昨日のカラスウリでなんか書くつもりだったんだけどタイムアップ。本文を空であげちゃいました(^-^)

小焼け 立秋/08.10 上州藤岡矢場
小焼け 2020/08/10 18:54

2020年8月9日

陰暦六月二十日の月


ウェザーニュース:空に注目 8月9日(日曜)深夜から月と火星が接近
陰暦六月二十日の月、1枚目と3枚目には火星がチラリ。て、視えんかも… σ(°┰~ )

庚申山越えで矢場に下り、ちょい焼けの空をぱしゃり。で、竹沼まで走り、桜にいたアブラゼミをぱちり。さらに、白山菊シラヤマギク筑紫萩ツクシハギ鵯花ヒヨドリバナと秋の野の花をぱしゃりぱちぱち。で、福島沙参フクシマシャジンを2ショットしたら電池切れ。狸庵でちょい充電し日帰り温泉へ。で、ファミレスで食事。最後に二十日夜の月を撮って帰ってきましたとさ。

571月夜つくよよし 川音かわとさやけし いざここに行くもゆかぬも遊びてゆかむ

月夜吉 河音清之 率此間 行毛不去毛 遊而将歸

右一首、防人すけ大伴四綱よつな

月もよい、川の瀬音もさやかに聴こえる。さあ、ここで都へ行く者も行かない者も心ゆくまで楽しんで行こう。 ※アソブは、鎮魂の舞いを舞うことから、酒宴、奏楽などについて言うようになった。


桜にアブラゼミが…


田んぼにちょい焼けの空

2020年8月6日

キツネノカミソリ

6日は35℃を突破し今季初の猛暑日となりましたが、外食に出て、そのまま小串「かたくりの里」をちょい歩き。キツネノカミソリを撮ってきました。(°-°;

3854 すも… 意訳。 どんなに痩せながらでも、生きていれば生きていられるのに。それをまた鰻を獲ろうとして川に流れなさるなよ。

万葉集 巻第十六 せたるひと嗤咲わらう歌二首

3853石麻呂いはまろにわれ物申ものまを夏痩なつやせせに良しといふ物ぞ むなぎ捕り

石麻呂尓 吾物申 夏痩尓 吉跡云物曽 武奈伎取喫

3854すもけらばあらむを はたやはたむなぎを捕ると川に流るな

痩々母 生有者将在乎 波多也波多 武奈伎乎漁取跡 河尓流勿

右は、吉田連老よしだのむらじおゆといふひとあり。あざな石麻呂いはまろへり。
いはゆる仁敬にんきょうの子なり。そのおゆ、人とり身体いた
たり。多く喫飲すれども、形、飢饉に似たり。これりて
大伴宿禰家持、いささかにこの歌を作りて、たはふわらふことを
為せり。