2019年11月26日

玉藻よし… 220-222 巻二 万葉集

讃岐さぬき狭岑島さみねのしまに、石の中にみまかれる人をて、柿本朝臣人麻呂の作る歌一首 短歌を併せたり

220玉藻たまもよし 讃岐の国は くにからか 見れどもかぬ かむからか ここだたふと天地あめつち 日月ひつきとともに りゆかむ かみ御面みおもぎ来たる 那珂なか水門みなとゆ 船浮けて れば 時風ときつかぜ 雲居くもゐに吹くに 沖見れば とゐ波立ち 見れば 白波しらなみ騒く 鯨魚いさな取り 海をかしこみ 行く船の かじ引きりて をちこちの 島は多けど 名ぐはし 狭岑さみねの島の 荒磯面ありそもいほりて見れば 波のしげき浜辺を 敷栲しきたへの 枕になして 荒床あらどこに ころす君が 家知らば 行きても告げむ 妻知らば はましを 玉桙たまほこの 道だに知らず おほほしく 待ちか恋ふらむ はしきつまらは

反歌二首

221妻もあらばみてげまし 沙弥さみやま野ののうはぎ過ぎにけらずや

222沖つ波来寄る荒礒ありそ敷栲しきたへの枕とまきてせる君かも

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ふーちゃん さんのコメント...

02/0220 讃岐狭岑嶋視石中死人柿本朝臣人麻呂作歌一首[并短歌]
玉藻吉 讃岐國者 國柄加 雖見不飽 神柄加 幾許貴寸 天地 日月與共 満将行 神乃御面跡 次来 中乃水門従 浮而 吾榜来者 時風 雲居尓吹尓 奥見者 跡位浪立 邊見者 白浪散動 鯨魚取 海乎恐 行船乃 梶引折而 彼此之 嶋者雖多 名細之 狭岑之嶋乃 荒礒面尓 廬作而見者 浪音乃 茂濱邊乎 敷妙乃 枕尓為而 荒床 自伏君之 家知者 徃而毛将告 妻知者 来毛問益乎 玉桙之 道太尓不知 欝悒久 待加戀良武 愛伎妻等者
たまもよし さぬきのくには くにからか みれどもあかぬ かむからか ここだたふとき あめつち ひつきとともに たりゆかむ かみのみおもと つぎきたる なかのみなとゆ ふねうけて わがこぎくれば ときつかぜ くもゐにふくに おきみれば とゐなみたち へみれば しらなみさわく いさなとり うみをかしこみ ゆくふねの かぢひきをりて をちこちの しまはおほけど なぐはし さみねのしまの ありそもに いほりてみれば なみのおとの しげきはまべを しきたへの まくらになして あらとこに ころふすきみが いへしらば ゆきてもつげむ つましらば きもとはましを たまほこの みちだにしらず おほほしく まちかこふらむ はしきつまらは

02/0221 (讃岐狭岑嶋視石中死人柿本朝臣人麻呂作歌一首[并短歌])短歌二首
妻毛有者 採而多宜麻之 作美乃山 野上乃宇波疑 過去計良受也
つまもあらば つみてたげまし さみのやま ののへのうはぎ すぎにけらずや

02/0222 ((讃岐狭岑^嶋視石中死人柿本朝臣人麻呂作歌一首[并短歌])短歌二首)
奥波 来依荒礒乎 色妙乃 枕等巻而 奈世流君香聞
おきつなみ きよるありそを しきたへの まくらとまきて なせるきみかも