2024年8月11日

言挙げせぬ国/巻13 3253, 3254

言挙げせぬ国

柿本朝臣人麻呂歌集歌曰 3253, 3254
葦原の瑞穂の国は神ながら言挙げせぬ国しかれども…

柿本朝臣人麻呂歌集の歌に曰はく

3253 葦原あしはら瑞穂みづほの国は かむながら 言挙ことあげせぬ国 しかれども 言挙ぞがする 事幸ことさき真幸まさきくませと つつみなく さきくいまさば 荒礒波ありそなみ ありても見むと 百重波ももへなみ 千重波ちへなみしきに 言挙ことあげすわれは 言挙すわれは

葦原 水穂國者 神在随 事擧不為國 雖然 辞擧叙吾為 言幸 真福座跡 恙無 福座者 荒礒浪 有毛見登 百重波 千重浪尓敷 言上為吾 言上為吾

反 歌

3254 磯城島しきしま大和やまとの国は 言霊ことだまの助くる国ぞ まさきくありこそ

志貴嶋 倭國者 事霊之 所佐國叙 真福在与具

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