2023年8月2日

望月「水無月十五日」/8.1

大暑の望月

大暑の望月 2023/08/01 25:14 上州藤岡

巻六 大伴坂上郎女の月の歌

 983山葉やまのはの 左佐良榎壮子ささらえをとこ
天原あまのはら 門度光とわたるひかり 見良久之好藻みらくしよしも

山の端のささらえをとこ
天の原門渡る光見らくしよしも

右の歌は、或いは曰はく、月のまたの名を「ささらえをとこ」といふ、此のことばりて此の歌を作るといへり。

巻七 天を詠む

1068天海丹あめのうみに 雲之波立くものなみたち
月船つきのふね 星之林丹ほしのはやしに 榜隠所見こぎかくるみゆ

天の海に雲の波立ち
月の舟星の林に漕ぎ隠る見ゆ

右の一首は、柿本朝臣人麻呂の歌集に出づ。

巻七 月に寄す

1372三空徃みそらゆく 月讀壮子つくよみをとこ
夕不去ゆふさらず 目庭雖見めにはみれども 因縁毛無よるよしもなし

み空行く月読をとこ
夕去らず目には見れども寄るよしもなし

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