2021年7月26日

上溝桜に鵯と雲と/07.25 かたくりの里

ウワミズザクラ 大暑/07.25 小串「かたくりの里」 ウワミズザクラ 大暑/07.25 小串「かたくりの里」 ウワミズザクラ 大暑/07.25 小串「かたくりの里」

GKZ植物辞典上溝桜ウワミズザクラの古名は波波加ハハカと。古事記だったか… 太占「ふとまに」もリンクじゃ

天の岩戸『古事記』上巻

 ここに速須佐の男の命、天照らす大御神に白したまひしく、「我が心清明あかければ我が生める子手弱女たわやめを得つ。これに因りて言はば、おのづから我勝ちぬ」といひて、勝さびに天照らす大御神の營田みつくた離ち、その溝み、またその大にへ聞しめす殿にくそまり散らしき。かれ然すれども、天照らす大御神は咎めずて告りたまはく、「くそなすはひて吐き散らすとこそ我が汝兄なせの命かくしつれ。また田の離ち溝むは、ところあたらしとこそ我が汝兄なせの命かくしつれ」と詔り直したまへども、なほそのあらぶるわざ止まずてうたてあり。天照らす大御神の忌服屋いみはたやにましまして神御衣かむみそ織らしめたまふ時に、その服屋はたやむねを穿ちて、天の斑馬むちこま逆剥さかはぎに剥ぎて墮し入るる時に、天の衣織女みそおりめ見驚きて陰上ほとを衝きて死にき。かれここに天照らす大御神かしこみて、天の石屋戸いはやどを開きてさしこもりましき。ここに高天たかまの原皆暗く、葦原あしはらの中つ國悉に闇し。これに因りて、常夜とこよ往く。ここによろづの神のおとなひは、さばへなす滿ち、萬のわざはひ悉におこりき。ここを以ちて八百萬の神、天の安の河原に神集かむつどつどひて、高御産巣日たかみむすびの神の子思金おもひがねの神に思はしめて、常世とこよ長鳴ながなき鳥をつどへて鳴かしめて、天の安の河の河上の天の堅石かたしはを取り、天の金山かなやままがねを取りて、鍛人かぬち天津麻羅あまつまらぎて、伊斯許理度賣いしこりどめの命におほせて、鏡を作らしめ、玉のおやの命に科せて八尺のまが璁の五百津いほつ御統みすまるの珠を作らしめて天の兒屋こやねの命布刀玉ふとだまの命をびて、天の香山かぐやま眞男鹿さをしかの肩を内拔うつぬきに拔きて、天の香山の天の波波迦ははかを取りて、占合うらへまかなはしめて、天の香山の五百津の眞賢木まさかき根掘ねこじにこじて、上枝ほつえに八尺の勾璁の五百津の御統の玉を取りけ、中つ枝に八尺やたの鏡を取りけ、下枝しづえ白和幣しろにぎて青和幣あをにぎてを取りでて、この種種くさぐさの物は、布刀玉の命太御幣ふとみてぐらと取り持ちて、天の兒屋の命太祝詞ふとのりと言祷ことほぎ白して、天の手力男たぢからをの神、戸のわきに隱り立ちて、天の宇受賣うずめの命、天の香山の天の日影ひかげ手次たすきけて、天の眞拆まさきかづらとして、天の香山の小竹葉ささば手草たぐさに結ひて、天の石屋戸いはやど覆槽うけ伏せて蹈みとどろこし、神懸かむがかりして胷乳むなちを掛き出で、ひもほとに押し垂りき。ここに高天の原とよみて八百萬の神共にわらひき。

 ここに天照らす大御神あやしとおもほして、天の石屋戸をほそめに開きて内よりりたまはく、「こもりますに因りて、天の原おのづからくらく、葦原の中つ國も皆闇けむと思ふを、なにとかも天の宇受賣うずめあそびし、また八百萬の神もろもろわらふ」とのりたまひき。ここに天の宇受賣白さく、「汝命いましみことまさりてたふとき神いますが故に、歡喜よろこわらあそぶ」と白しき。かく言ふ間に、天の兒屋の命、布刀玉の命、その鏡をさし出でて、天照らす大御神に見せまつる時に、天照らす大御神いよよあやしと思ほして、やや戸より出でて臨みます時に、そのかくり立てる手力男の神、その御手を取りて引き出だしまつりき。すなはち布刀玉の命、尻久米しりくめ繩をその御後方みしりへき度して白さく、「ここより内にな還り入りたまひそ」とまをしき。かれ天照らす大御神の出でます時に、高天の原と葦原の中つ國とおのづから照り明りき。ここに八百萬の神共にはかりて、速須佐の男の命に千座ちくら置戸おきどを負せ、またひげと手足の爪とを切り、祓へしめて、神逐かむやらひ逐ひき。

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